2025年ものづくり補助金の概要発表
2025年のものづくり補助金の概要が発表
2025年のものづくり補助金の概要が中小企業庁から出ました。ものづくり補助金は製造業向けの補助金制度で、新しい技術開発をするのに必要な設備投資を支援するものです。革新的なサービス開発であれば非製造業でも応募が可能です。今回は昨年との変更点について解説していきます。
一般事業主行動計画の提出が必須に
一般事業主行動計画の提出が必須になります。一般事業主行動計画とは、子育て支援の行動計画のことで、100人以上の企業はこれまでも国への作成と提出は必須でした。ものづくり補助金の応募をしなくとも義務ですので、まだの企業は今すぐ作成し、提出しましょう。
また、100人以下の企業はこれまでは義務ではありませんでした。ただ提出すること自体は可能で、ものづくり補助金の申請においては加点といい、採択に有利になる要素だったのですが、今回からは必須になります。今のうちに準備しておいてもいいでしょう。
補助上限は750万円~2500万円
補助上限は従業員数によって750万円~2500万円となりました。具体的には5人以下750万円、20人以下1000万円、50人以下1500万円、51人以上が2500万円です。
大幅賃上げ特例やグローバル枠といった特例を活用することで最大で4000万円まで補助上限を上げることは可能ですが、要件が厳しく補助金返還のリスクが高いため、無理にその枠を使う必要はないでしょう。通常の「製品・サービス高付加価値化枠」を使うのが望ましいです。
また、補助率は中小企業が1/2、小規模企業と再生企業が2/3、最低賃金近傍で雇用している従業員が多い企業も2/3になります。ただし、今年のものづくり補助金は賃上げを強く求めているため、最低賃金で働く従業員が多い企業は要件を満たし、維持するためのコストが高くなるかもしれません。
収益納付制度が廃止に
収益納付制度が廃止されました。収益納付制度とは、補助金で買った設備で儲けすぎた場合、補助金を返還しないといけないというものなのですが、実際に収益納付に至るほど利益を出す企業というのは少ないというのが実情でした。
また、これまではものづくり補助金で買った設備は技術開発に使用するという建前があり、実際に生産活動に使っていく際には転用という手続きが必要でした。これをうっかり忘れてしまい、会計検査院などのチェックが入った際に補助金返還を求められる企業もありました。実際のところ技術開発をしたらその次は生産活動に入っていくわけで、これは意味のある制度なのかという批判はありましたので、良い方向の制度改正だと思います。
賃上げ要件はハードに
事業所内最低賃金+30円などのほか、給与支給総額要件も見直され、概ねですが世間一般の賃上げよりも高い水準での賃上げを要求されるようになってきています。給料をケチる事業計画は×で、技術開発によって大きく付加価値を伸ばすことを目指す事業計画が望まれているということなのでしょう。
ものづくり補助金のご相談は中小企業診断士事務所 (株)イチコンへ
製造業が大きな設備投資を行う際には、ものづくり補助金の適用を最初に検討するべきです。しかしながら、書類の多さや事業計画の複雑さは他の資金調達手段の比ではありません。弊社はものづくり補助金の採択実績もあり、中小企業の皆様に寄り添ったサービス展開を行っております。事業計画のご相談はぜひとも中小企業診断士事務所 (株)イチコンへお気軽にお問い合わせください。