自治会のDX、じわじわと浸透
22人/24人がキントーンで返答を!
久しぶりの自治会DX報告です。1年間研究会で研究を行い、kintoneの概念や仕組みがようやく分かってきたところですが、最近自治会の役員さんが協力的というか、kintoneを使ってくれるようになってきました。
私の所属する自治会には「年始のつどい」という行事がありまして、まあ要はお正月を祝うイベントですね。それの出席者を確定するという仕事があるのですが、これに一部kintoneを導入してみましたところ、24人いる役員さんのうち22人が回答してくれたんですね。すごく効率が良かったので顛末を記録しておきます。
割と負担の大きかった出席者確定処理
これまでの自治会での処理は次のとおりでした。①イベントの顔役さんが自治会会議に出席し、開催案内と出席希望の紙を役員さん(24名いる)に配る。②役員さんは紙の回覧板で各地区の家庭に回覧し、出席希望者は出席希望の紙を取って書き、指定日までに役員さんの自宅のポストに入れる。③指定日後、顔役さんが役員さんの自宅を訪問し、紙を回収。④その日に役員さんが自宅に不在の場合は次の自治会会議に顔役さんが出席し、紙を回収し、確定。顔役さんの負担が大きい事が一目で分かります。役員さんも指定日には家に居ることを要請されるので、負担です。
ちなみに、顔役さん、役員さんとも自治会では別の呼び方を実際にはしていますが、今回の記事ではその辺は変更しています。
全部は出来ないけど、ちょっとだけDX
今回DXをしたのは②と③です。あらかじめkintoneで入力フォームを作っておき、役員さんには回覧板を回す際、出席希望の紙の枚数を数えておいてもらう。そうすると回覧板が返ってきた時、もし住民の誰かが出席希望の紙を取っていれば、紙の枚数が減っているはずなので、減った枚数をkintoneに入力してもらいました。
その入力データを顔役さんに共有しました。顔役さんはkintoneのメンバーに入っていないのでここはメールです。ポイントは、減った枚数が0枚の地区には顔役さんが伺う必要はない、としたこと。半分以上の地区では0枚でしたので、これらの地区には顔役さんは行く必要がなくなりました。
また、顔役さんの回収日に家に居るかどうかも事前に申告してもらいました。2名が当日不在ということで、会議の日に持参。この地区も顔役さんは行く必要がなくなりました。また、確定ではないものの、紙が減った枚数からイベント参加者の概数を見積もることが出来るようになり、事前準備の心づもりが出来るようになりました。
なお、kintoneで回答をしなかった役員さんへは、これまで通り顔役さんに行っていただく予定です。ITが不得意な人もいますので無理はさせられません。ここは民間企業とは違うところですね。
自治会業務の負担が大きくダウン
今回、最も負担が減ったのは顔役さんではないかと思います。24地区を全て回って用紙を回収しなければならないところ、半分以下で済んだのですから。「新年のつどい」は隣接地区も合同で行う行事ですので、顔役さんはこの町内だけではなくいくつかの隣接地区も回る必要があります。「参加者なし」の情報を得るためだけに歩いて回る必要がなくなるのは本当に楽だと思います。
担い手不足の解消へ
今回取り組んだDXは決して大きなものではありませんでしたが、業務を大きく効率化することが出来ました。本当ならばもっと大規模で効率的なDXも出来るのでしょうが、ちょっと取り組むだけでもこうして生産性を上げることは可能です。業務量を削減できれば、不足が叫ばれる自治会の担い手も生まれやすくなるのではないでしょうか。
ちなみに、前回の記事はこちらです。随分変わってきたと思いませんか?