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【解説】省力化投資補助金(第4次公募)がスタート:改正点と実務上の留意点

省力化投資補助金の第4次公募が始まりました。前回の問題点が修正され、さらに追加公募も行われることとなり、実務上は前進といえる内容です。本記事では改正点を中心に解説していきます。申請期限は「11月下旬」です。


用語の定義が明確化

これまで曖昧だった「事業計画期間」「事業計画1年目」「基準年度」などが明文化されました。補助金ごとに用語の使い方が微妙に異なるため、毎回の確認は必須です。


賃上げ要件が2025年基準に更新

本補助金は最低賃金引上げ率を上回る賃上げを前提としますが、今回から2025年度の改訂率が参照されることとなり、賃上げ率が上昇しました。
例:大阪府では2.9% → 4.1%に。再申請を検討する事業者は特に注意が必要です。


最低賃金特例の見直し

従来の「最賃+50円以内」という基準から「最賃以上~2025年最賃未満」という書き方に変更されました。最低賃金改定幅の大きさを踏まえた修正と考えられます。


労働関係法令違反企業は申請不可

過去1年間に労働関係法令違反で送検処分を受けた事業者は対象外となります。必要な企業ほど使えないという点にジレンマはありますが、コンプライアンスがより強調された形です。


システム構築費の取扱い

システム関連費用を計上する場合、仕様書などによる価格妥当性の証明が交付申請時点で必須と明記されました。システム案件はトラブルが多い分、前倒しでの審査体制が整えられた印象です。


リース契約に関する返還規定

リース会社と共同申請する場合、後日返還命令が発生した際にはリース会社に直接返還命令が下ることが明文化されました。契約実務に関わる士業としては押さえておきたいポイントです。


賃上げに関する加点措置

加点要素として以下が新設されました。

  • 最低賃金特例に該当する事業者
  • 事業場内最低賃金を63円以上引き上げた事業者
    都道府県によっては自動的に該当するケースも考えられます。

交付申請に関する説明書きが追加

交付申請段階での手続きに関する説明が追加されました。過去のトラブル対応の一環と推測されます。


まとめ

今回の第4次公募は、全体的に「正統進化」といえる内容です。賃上げ要件の引き上げやシステム構築費の審査強化など、実務上の負担は増加しますが、ルールの明確化は歓迎できる変更といえます。
また、第5回公募への言及もなされており、最後まで申請のチャンスは続きます。顧問先にとっても、今からの準備が重要となるでしょう。

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