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事業再構築補助金、12次公募の採択発表と傾向分析

採択率は低調、予算切れで公募も終了へ

11/8に事業再構築補助金(12次公募)の採択発表がありました。採択率は26.5%と前回並みで、非常に低調な結果となりました。

低調な採択率となった原因は予算切れが最大の要因と思われます。事業再構築補助金の予算は残り5,000億円ほどあったのですが、省力化投資補助金に使うということで3,000億円を没収されており、もともと残り予算が少ない中での公募でしたが、今回、完全に使い切った格好になっており、そこに少なくなったとは言え大きな金額の投資が来たことから、厳しい採択率となったものと思われます。

今回で公募終了見通しの事業再構築補助金

既に予算は尽きており、秋の補正予算で追加がなければ次回の公募はないものと考えられます。また、10月30日に実施された「新しい資本主義実現会議」では重点施策が掲げられ、その中にものづくり補助金や小規模事業者持続化補助金の記載はあったものの、事業再構築補助金の名前がなくなっていました。この事から、事業再構築補助金の継続実施はない、と私は判断しています。

名前を変えて再始動するかも

では今回、事業再構築補助金で不採択だったらもう希望はないのでしょうか?実は私はそう思っていません。新しい資本主義実現会議の重点施策の中には、「中小・小規模企業の成長・重点市場への進出等を支援」という記載があります。これは補助金政策の欄に新たに記載された項目であり、事業再構築補助金のうち「成長枠」「グリーン枠」「サプライチェーン強靭化枠」を指すものと読むことが出来ます。

つまり、来年度はひょっとすると名前を変えて新装開店するかもしれないということです。事業再構築の要件が不要となれば、一層使いやすくなるかもしれませんね。自公政権が過半数割れし、政権運営が厳しさを増す中ではありますが、今後の展開に期待したいところです。

事業再構築補助金に敏感な地域No.1は京都

どの地域で最も事業再構築補助金が盛り上がったかを示す「応募件数/中小企業数」では、京都府が1位になりました。京都府は事業再構築補助金の申請件数割合がずっと1位です。かなり補助金に対してコンシャスな事業者が多い地域と言えるでしょう。

一方でほとんど申請を行っていない地域もあり、地方の過疎地域が多いです。これは補助金などの政府施策に対して情報が入ってこないため活用できない状況が起きているものと考えられます。石破政権は地方創生に力を入れるとしていますが、まずはこういう情報ギャップを無くすところから始めてはどうかと思います。いつまで持つか分からないけど。

業種別採択率は製造業がトップ。「職業差別」が顕著

業種別の採択率は下表の通りです。採択率トップの製造業と最下位の製造業との間には30ポイント以上の差がついています。

第10回の公募でも製造業の採択率が高かったのですが、この時最も採択率が低かった「生活関連サービス・娯楽業」との差は20ポイントも無く、また採択率自体が高かったこともあって大きく目立ちませんでしたが、4倍以上差が付くとなるとさすがに疑いの目を持たざるを得ません。事業再構築補助金は裏で業種によって傾斜配点をしているのではないか?

公募要領では第12回から、特定のテーマに応募が集中した場合は減点を行うと明記されましたが、特定のテーマが何かは現時点で公開されておらず、何があったかは実際のところ分かりません。また今回で一旦終了となる可能性が高く、このまま忘れられていくかもしれませんが、こういう事があったというのは記録として残しておきたいと思います。

コロナは終わり。次のステージへ向かおう

もともとコロナ支援の一環として始まった事業再構築補助金ですが、その他のコロナ関連の支援制度の順次終了してきており、政府としてはもうコロナは終わりというメッセージを出しているのでしょう。

今後、台湾有事だったり未知の脅威だったりが起きる可能性もあります。日本経済はおよそ10年間隔で大規模ショックに襲われており、まもなく5年経つコロナはそろそろ終了しておかないと次のショックに耐えられない可能性もあるのでしょう。私たちも補助金に依存するのではなく、経営そのものを強化するべき時期を迎えているのかもしれませんね。

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