【速報】ものづくり補助金<20次公募>スタート!19次との違いを解説

ものづくり補助金の第20次公募がスタートしました。前回(第19次)の採択発表から間を置かずに次回公募が開始されたことは、申請を検討している企業にとって非常に好ましい流れと言えるでしょう。
今回は、前回公募(第19次)との変更点を中心に、最新の公募要領から注目ポイントを解説いたします。
◆ 公募スケジュール:余裕ある3ヶ月
- 締切日:2025年7月25日(金)
- 採択発表予定:10月下旬
- 事業実施期間:採択日から最長12ヶ月(前回と同様)
申請期間が約3ヶ月と、十分な準備期間が設けられています。特に初めて申請する企業や、新規設備投資の検討に時間を要する事業者にとっては好材料です。
◆ 他補助金の「隠し事」はNG
今回の公募では、「申請中」や「採択済」の他の補助金の情報を正しく記載することが明記されました。これを怠ると不採択になる可能性があるとされています。
また、同一の補助対象経費を複数の補助金で申請すること自体は容認されましたが、実際に交付申請できるのはどれか1つのみです。重複採択された場合は注意が必要です。
◆ リピート申請の制限が強化
- リピート禁止期間が14ヶ月→16ヶ月に延長
- 「新事業進出補助金」や「事業再構築補助金」の事業実施中は申請不可
- 3補助金(ものづくり・新事業進出・再構築)で事業化段階が「3以下」の企業は減点対象
制度をまたいで連続的に申請する動きに対し、より厳格な運用が取られています。補助金の“掛け持ち”を防ぎつつ、真に事業化が進んでいる企業を評価する姿勢が明確になっています。
◆ JC-STAR関連費用が補助対象に
今回から、JC-STARラベル(IPAによるセキュリティ評価制度)取得に必要な外注費や専門家経費が、新たに補助対象に追加されました。
サイバーセキュリティの取り組みが評価される時代背景を反映した変更であり、ITやIoT関連の設備導入を検討している企業には追い風と言えるでしょう。
◆ アトツギ・地域未来企業に明確な優遇
- 「アトツギ甲子園」出場者
- 「地域未来牽引企業」
これらに該当する企業は審査で配慮されることが明記されました。地方の後継者や地域密着型の事業者にとっては、申請の大きな追い風となります。
また、今回新たに、**「米国の追加関税措置により影響を受けている企業」**が審査上の重要要素として追加されました。加点項目ではなく、政策点として審査されることに注意が必要です。
◆ 総評:4補助金の連携と引き締め
全体として、前回(第19次)からの大きな制度変更はありませんが、申請ルールの明確化や優遇対象の明示など、制度のブラッシュアップが図られています。
「ものづくり補助金」「新事業進出補助金」「省力化補助金」「事業再構築補助金」は、現在、相互に連携しながら制度の整合性を保ちつつ、不正防止策も強化されている印象です。
補助金制度の“抜け穴”をふさぎつつ、多くの企業に公平に資金が行き渡るような運用が進んでいると感じます。
◆ 今後の動き
申請を検討している方は、まず公募要領の最新情報を確認し、自社の状況と照らし合わせて早めに準備を始めましょう。特に、「他補助金との関係性」や「リピート申請の制限」には十分注意が必要です。
補助金申請に不安がある方、中小企業診断士への相談もぜひご活用ください。