もしも「ブラック企業」と言われたら?脱ブラックして誇り高い会社を作りましょう(その1)
辞める社員に「ここはブラック」と言われた社長の話
「こんなブラック企業じゃやってられないですよ」
これは、私と付き合いのある社長が実際に言われたセリフです。若手の社員が退職する時に言ったそうで、とにかく信じられなかったと。この会社は割と規模のある会社で収益力の高く、給料も大企業に負けないほど払っており、社長はそれに誇りを持っていたのでとにかく頭が真っ白になってしまったと。
そこで、外部からの視点ということで残業時間が尋常ではないほど長かったり、労災事故も時々起きてきたりという事実を伝え、若い時はまだまだ給料も安く転職の誘いも多く、不満があればそういう事もあるだろうと言い、そこから社長は健康経営優良法人の取得に向けて企業改革に乗り出したわけなのですが、果たしてこういう事を言われたら、どうしたらいいのでしょう?
そもそもブラック企業とは何なのか
ブラック企業というのは、2000年頃「2ちゃんねる」で使われ始めた言葉です。「就職してはいけない企業のブラックリスト」が語源で、ハッキリした定義があるわけではありません。低賃金・長時間労働・パワーハラスメント・法令違反など労働環境に重大な問題を抱える企業をブラック企業と呼ぶようになったとされています。
なぜブラック企業という概念が生まれたのか
この時期は1997年の東アジア通貨危機やそれが波及した金融危機のため日本国内は重度の不況であり、「貸し渋り・貸し剥がし」と呼ばれる金融収縮が発生し、自殺者はわずか1年で1.5倍に増え、それが戻らないという時代でした。就職氷河期の始まりです。
こういう時代は労働者の力が弱いため企業側が悪い労働条件を突き付けることが出来たり、労働環境が悪くても転職先がないという理由から労働者は離職をためらったりします。また、終身雇用が根強く残っており、いったん就職するとその企業に骨をうずめることを求められるため、労働環境の悪い所に入ったら一生そのままだ、という考え方が出てきます。こうした時代の流れの中でブラック企業という概念は誕生しました。
どういう企業がブラック企業と言われるのか
さて、ここからが本題ですが、まずは現象としてどういった企業が「ブラック企業」と言われるようになるのか。私が調べた範囲では、概ね3つの現象がブラック企業と呼ばれる原因です。
1.高負荷な労働
ブラック企業の最初のイメージ想起としては、負荷の高い労働をさせているということが挙げられます。長時間労働や強度の高い肉体労働が代表的でしょう。単純に体を動かすだけではなく、集中力や注意力を長時間維持しなければならない、暑い・寒い・危険であるなどの職場環境も労働の負荷です。
2.低賃金
給料が安いことは、ブラック企業と言われる非常に単純な理由です。同じ労働をさせるにしても高い給料であれば皆が喜んでやるでしょうが、安い給料であれば不満も出ます。キャリアを積んでもなお最低賃金に近い給与しか貰えないとなると、その職場から人は去りたがるでしょう。
3.ハラスメントの存在
セクハラ、パワハラなどのハラスメントが職場に存在していると、人はその職場を「働くべきではない職場」とみなすようになり、ブラック企業と言われるようになります。これは従業員間のハラスメントだけではなく、役員や代表者によるものも含まれます。
会社がブラック企業だと言われたら?
会社がブラック企業だと言われたら、またブラック企業になっているかもしれないと思ったら、どうしたらいいのでしょう?企業経営者たるもの、従業員の物心両面の幸福を願い行動するのは当然のことで、それがあるからこそ人員を確保し、製品やサービスをお客様にお届けすることが出来るわけです。
現象としてのブラック企業を理解したら、次はその原因を深掘り、解決に向かわなければなりません。これについては次回、詳しく解説したいと思います。
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