産経新聞にコラムが掲載されました

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産経新聞に掲載

令和8年4月28日の産経新聞奈良版に、私が書いたコラムが掲載されました。文章の著作権は私が保有しているということですので、全文を掲載させていただきます。

本文

最近、「タイパ」という言葉をよく耳にするようになりました。「タイパ」はタイムパフォーマンスの略語で、限られた時間の中で効率よく結果を得ることを尊ぶ考え方を意味しています。動画を倍速で視聴する、待ち時間の短いサービスを選ぶなど、同じ結果が得られるならばかかる時間が短い方がよい、という考え方です。

少子高齢化とそれに伴う人手不足の発生により、私たちは以前にも増して「時間」に制約を受けるようになりました。厳しい時間制約の中では同じ1分、同じ1時間でも、より価値のある使い方を求めるのは当然のことです。人は今、物質的豊かさや精神的豊かさを超えて、「自分の時間をどう使えるか」に対してお金を払うようになっています。

こうした変化は企業経営のあり方にも影響を与えています。テーマパークで待たずにサービスを受けられる「ファストパス」、飲食店での待ち時間を減らす「モバイルオーダー」など「時間を節約する価値」を提供するサービスが出てきています。一方でその逆に、敢えて時間をかけて過ごす空間や体験を提供し、贅沢で芳醇な時間の使い方を提案するサービスも支持されています。ゆったりとした接客や居心地の良さは、「時間を豊かにする価値」と言えるでしょう。

こうした新しい考え方を踏まえると、経営の見方も変わってきます。「タイパ」重視で早さや効率を求める人もいれば、ゆとりや充実感を求める人もいます。何を売るかだけでなく、どのような時間価値を提供しているのか、お客様の時間を奪っていないか、逆に価値ある時間を提供出来ているのか、という視点で自社の価値を捉え直すことが第一歩です。時間という価値に気付き、考えることがこれからの経営の質を大きく左右していくでしょう。

中小企業診断士 諸 勝文